読みもの

2023/02/27 17:44



京都府亀岡市に工房を構えておられます。

また亀岡市と言えば、伝統的な保津川下りが有名です。
その船を漕ぐために重要な“オール(櫂)”を飯田さんが作っておられます。

この工房で飯田さんは糸ノコギリ一本ですべての作品を作っています。

糸ノコギリの長所は、細部まで掘ることでき立体的な作品が作れる点です。

木の種類によって木の柔らかさが異なるので、種類ごとに刃を変えます。

ケヤキなどの硬い素材には刃の目の荒いものを。

スギなどの柔らかい素材には目の細かい糸ノコギリ刃を使います。

特に文字の掘り方にはこだわりがあるそうで、
同じ立体的な文字でも掘り方を変えることで印象が変わります。

特に表札は立体的な方が家宝にも良いとされています。
また、表札や命名札は一生ものですから、出来るだけ依頼者のご意向に沿うように製作されておられます。
漢字の画数が多いものほどチャレンジ精神で燃えるそうです。

こうしてできた名前は、立体感があり迫力があります。
対して、角に丸みを持たせて掘るとやわらかな名前の印象になります。
そのため、文字は奥が深くとても魅力的だとおっしゃっていました。

今回の取材を通して、飯田さんは糸ノコギリを使った立体的な文字作品を極められた作家さんだと感じました。

また飯田さんは「京都丹波クラフト友の会」の会長をされており、
個人の工芸作家さんが作品を出展する機会の創出に尽力されています。